2021年5月5日水曜日

【コラム】全国ご当地アイドル事情から 清水雅人(2013.12.28掲載)

 「おもしろそうだ」と思えば、後先考えずに手や足を突っ込むのが癖で、映画作りに端を発して色々関わらせてもらってますが、ここ最近首を突っ込んでいるのがご当地アイドル。豊田ご当地アイドルStar☆T(スタート)を立ち上げて、2年になります。
 こんなことを言うとファンの方々に怒られそうですが、私自身は特にアイドルに興味があったわけではなく(80年代アイドル黄金期に思春期を過ごしてはいますが)、後から後からいろいろと勉強させてもらっている次第です。

 今回は、この2年で得たつたない情報を元に、現在の全国ご当地アイドル事情を入口にこのコラムを進めていきたいと思います。

 ご当地アイドルは、ローカルアイドルとも呼ばれ、その起源は諸説ありますが、2000年前後より全国で地方を基盤としたアイドルグループが誕生し始めたと言われています。
 しかし、現在のブームに火をつけたのは、間違いなくAKB48です。AKB48は2005年に東京のいち都市、秋葉原のアイドルとして誕生し、2009年には第1回のシングル選抜総選挙が行われ、AKB現象なる社会現象を巻き起こします。それに先立つ2008年には、名古屋栄を基盤にしたSKE48も誕生し、現在に連なるご当地アイドルというフォーマットを確立したと言えるでしょう。
 そして、この頃より、全国で爆発的にご当地アイドルが増えて行き、現在では、全国に300~350ほどのご当地アイドルが存在すると言われています。

 目を愛知県に移しますと、多数のアイドルが存在する名古屋を除いても、稲沢(LOVE INA30)、日進(TAKRNOYAMA24)、岡崎(さくらHR)、安城(看板娘。)、みよし(ピンクフォックス)、清須(清洲城武将隊桜華組)などにご当地アイドルが誕生しています。
 知名度で言えば、SKE48、チームしゃちほこは別格として、OS☆U(大須)、アイドル教室(名古屋栄)が高く、Star☆Tはその次を狙っていると言ったところでしょうか。

 さて。現在のご当地アイドル事情をざっくりをお話ししてきましたが、そもそもご当地アイドルとはどのようなもので、何を目指すべきなのか。

 Star☆Tを立ち上げた頃、とある新聞記者さんから「今、ご当地3種の神器は、『B級グルメ』『ゆるキャラ』『ご当地アイドル』ですね」と言われ、納得した記憶があります。現にこの3つは、ブームと言われ、現在でもそのブームはまだ続いています。
 それぞれの成り立ちは違いますが、そこで語られるキーワードはやはり「地域活性化」です。「地域活性化のため・・・」という枕言葉が建前か本心かは玉石混交の感はありますが、そのキーワードを軸に語られていることには間違いはありません。

 アイドル、又は音楽流通に絞って見れば、自分の楽曲を多くの人に聞いてもらおうとすれば、東京に出て、東京のレコード会社と契約して、CDを全国発売したり、ツアーに回るという方法しかなかった時代から、そうではない方法もありえるかもしれないという時代に転換しつつあるのが現在であり、地元の人が、地元で活動し、地元の人が見て聞くという循環、そのことで経済的にも回っていくという循環、さらに全国から人が集まってくるという現象が起これば、これはまさしく地域活性化にほかなりません。

 これは、アイドル、音楽に限ったことではなく、演劇でも映画でも、文化芸術に関するものは、東京から発信されたものを地方が享受するという一方通行的な流通のルートしかないという価値の転換が、今、起ころうとしているのではないかと思っています。

 Star☆Tは3年目を迎え、いよいよ全国に進出したいと思っています。1月には東京でのライブに出演もします。しかし、それは1つの手段であり、目指すところは、ここ豊田で、豊田のみなさんに愛され、応援され、活動を継続していくためのいくばくかの費用をいただきながら、全国から人を呼べ、地域活性化に寄与する真のご当地アイドルになることです。

 1月18日(土)には、豊田産業文化センター小ホールにて、デビュー2周年記念ライブを行います。初のホール単独ライブです。AKB48やSKE48やももクロにも負けない、遜色のない、クオリティの高い、エンターテイメントショーをしたいと思っています。

 どうぞ、Star☆Tを、暖かく、そして厳しく見守ってやってください。

清水雅人
映像作家・プロデューサー。豊田を中心に活動する映画製作団体M.I.F.代表。映画製作の他にも、小坂本町一丁目映画祭運営、豊田ご当地アイドルStar☆Tプロデュ―スなどを手掛ける。

 Star☆T2周年記念ライブの前売券を発売中です。詳しくはStar☆Tサイトをご覧下さい。http://www.star2t.com/

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