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2021年8月4日水曜日

【コラム】「豊田(周辺)の映画館上映お勧め作紹介」清水雅人(2021.8)

 豊田とその周辺地域の、演劇・映像・音楽・アートに関する情報と人材のネットワーク<TAG>Toyota Art Geneサイト → http://toyotaartgene.com/

※映画支援団体「映画街人とよた」サイトでの記事を転載したものです。

「映画街人とよた」代表の清水が、豊田周辺映画館[イオンシネマ豊田KiTARA]と[ムービックス三好]で観られるお勧め映画を紹介するコラムです。テレビ等でバンバン宣伝しているメジャー作品はなるべく避けたラインナップにするつもりです。

※試写等を見ている訳ではなく、期待度も含めたごく個人的なお勧め作品です、あらかじめご了承ください。
本ページにて月イチペースでお勧め映画紹介しています。
8月は期待度の高い監督作も目白押しの粒ぞろいなラインナップです。お勧め作品多いのでなるべくコンパクトに紹介します。あらすじ等は作品サイトあたってください。

イオンシネマ豊田KiTARA  https://www.aeoncinema.com/cinema/toyota/
「キネマの神様」8月6日より上映
監督:山田洋次 出演:沢田研二 菅田将暉 永野芽郁
志村けんが出演するはずだったことでも話題になった作品。志村の役は沢田研二が演じることになった。「男はつらいよ」シリーズ終了後も良作をコンスタントに撮り続ける山田洋次監督が映画をテーマにした映画なら観ないわけにはいかないですね。菅田将暉と永野芽郁の若手トップスターが山田洋次演出にどう答えているかも観たい。
公式サイト https://movies.shochiku.co.jp/kinema-kamisama/
期待度☆☆☆☆★

「映画 太陽の子」8月6日より上映
監督:黒崎博 出演:柳楽優弥 有村架純 三浦春馬
昨年HNKにて放送されたドラマとは別視点で描かれる。NHKでの放送は観ていますが、ちゃんとじっくり撮られていていい作品でしたので映画版も期待します。せめて8月には、あの戦争のことを思い出すことは日本人の責任だと思う。
公式サイト https://taiyounoko-movie.jp/
期待度☆☆☆★★

「ドント・ブリーズ2」8月13日より上映
監督:ロド・サヤゲス 出演:スティーヴン・ラング ブレンダン・セクストン3世 マデリン・グレース
2016年に世界中でスマッシュヒット、日本でもロングラン上映された「ドント・ブリーズ」の続編。
1作目のヒットを受けて2作目はパワーアップか、やっぱり1作目の方がインパクトあったよねか、本作はどちらのパターンなのか、、、。夏と言えばのもう1つはホラーということで、盲目の老人の恐怖を描くショッキングホラー。
公式サイト https://www.donburi-movie.jp/
期待度☆☆☆★★

「フリー・ガイ」8月13日より上映
監督:ショーン・レヴィ 出演:ライアン・レイノルズ ジョディ・カマー ジョー・キーリー タイカ・ワイティティ
「ナイト ミュージアム」シリーズや「ストレンジャー・シングス 未知の世界」など、ジャンルを超えて活躍する稀代のヒットメーカー、ショーン・レヴィが監督を務める本作。これぞハリウッド映画!という作品が少なくなってきている昨今ですが、とにかく派手で楽しくて面白いって映画の醍醐味ですよね。
公式サイト https://www.20thcenturystudios.jp/movie/Freeguy.html
期待度☆☆☆★★

「妖怪大戦争 ガーディアンズ」8月13日より上映
監督:三池崇史 出演:寺田心 杉咲花 大沢たかお 大森南朋 安藤サクラ
1968年からの三部作、2005年に公開された映画「妖怪大戦争」が、令和の新たな時代と共に「妖怪大戦争 ガーディアンズ」となってスケールアップ。どんな作品も力いっぱい振り切った遊び心をぶつける三池崇史監督作ならやっぱりちょっと観てみたい…。日本の夏と言えば妖怪?ですしね。
公式サイト https://movies.kadokawa.co.jp/yokai/
期待度☆☆★★★

「子供はわかってあげない」8月20日より上映
監督:沖田修一 出演:上白石萌歌 細田佳央太
「このすばらしきせかい」「南極料理人」「キツツキと雨」「横道世之介」「モリのいる場所」「おらおらでひとりいぐも」などの沖田修一監督作。監督作は観ておきたいと思う監督の1人。ひょうひょうとした世界観としっかりとした演出で安心して観られる監督ですね。
公式サイト https://agenai-movie.jp/
期待度☆☆☆☆★

「孤狼の血 LEVEL2」8月20日より上映
監督:白石和彌 出演:松坂桃李 鈴木亮平
「凶悪」「日本で一番悪い奴ら」「彼女がその名を知らない鳥たち」「孤狼の血」「凪待ち」「ひとよ(一夜)」などの白石和彌監督作。こちらも観ておきたいと思う監督の1人。白石監督は徹底的に人間の生臭い、本能というか狂気、肉感を的確に演出する監督です。「孤狼の血」前作はとてもよかったので続編も期待。役所広司の圧倒的な存在感を松坂桃李がどれくらい受け継いでいるか。
公式サイト https://www.korou.jp/
期待度☆☆☆☆★

「オールド」8月27日より上映
監督:M.ナイト・シャマラン 出演:ガエル・ガルシア・ベルナル ヴィッキー・クリープス アレックス・ウルフ トーマシン・マッケンジー
「シックス・センス」「アンブレイカブル」「サイン」「ハプニング」「スプリット」などのM.ナイト・シャマラン。「シックス・センス」や「アンブレイカブル」が大ヒット、注目の若手監督だったM.ナイト・シャマラン監督も20年が経ち50代に。私も近作はあまり観れてなく、興行的な失敗作や批評もよくない作品もありますが、一貫して“映画”を撮っている監督なんですよね、これぞっていうカットが必ずあるし、映画が好きなんだな~、楽しんで映画作ってるな~と思える監督です。久しぶりに監督観てみたい。
公式サイト https://old-movie.jp/
期待度☆☆☆★★

ムービックス三好 https://www.smt-cinema.com/site/miyoshi/index.html
※イオンシネマ豊田KiTARA上映で紹介した作品の内「子供はわかってあげない」以外はムービックス三好でも上映されます。


清水雅人プロフィール
2000年頃より自主映画製作を始め、映画作り仲間を中心に周辺の映画製作団体も統合してM.I.F(ミフ Mikawa Independet Movie Factory)を設立。監督作「公務員探偵ホーリー2」「箱」などで国内の映画賞を多数受賞。また、全国の自主制作映画を上映する小坂本町一丁目映画祭を開催。
2012年、サラリーマンを退職/独立し豊田星プロを設立。豊田ご当地アイドルStar☆T(すたーと)プロデユース、映像制作、イベント企画など行う。
2016年、豊田では初の市内全域を舞台にした劇場公開作「星めぐりの町」(監督/黒土三男 主演/小林稔侍 2017年全国公開)を支援する団体 映画「星めぐりの町」を実現する会を結成し、キャストオーディションやエキストラ管理、協賛金事業などをサポート。
2020年、映画「星めぐりの町」を実現する会を発展継承する形で「映画街人とよた」を設立。2021年全国公開予定「僕と彼女とラリーと」支援ほか、豊田市における継続的な映画映像文化振興事業を行う。



2021年7月21日水曜日

【コラム】「豊田(周辺)の映画館上映お勧め作紹介」清水雅人(2021.7)

豊田とその周辺地域の、演劇・映像・音楽・アートに関する情報と人材のネットワーク<TAG>Toyota Art Geneサイト → http://toyotaartgene.com/

※映画支援団体「映画街人とよた」サイトでの記事を転載したものです。

「映画街人とよた」代表の清水が、豊田周辺映画館[イオンシネマ豊田KiTARA]と[ムービックス三好]で観られるお勧め映画を紹介するコラムです。テレビ等でバンバン宣伝しているメジャー作品はなるべく避けたラインナップにするつもりです。
※試写等を見ている訳ではなく、期待度も含めたごく個人的なお勧め作品です、あらかじめご了承ください。
本ページにて月イチペースでお勧め映画紹介しています。

7/13現在イオンシネマ豊田KiTARA及びムービックス三好は通常営業(時短営業なし)です。

7月は、夏休み公開のお子さん/家族向け作品に渋めのラインナップです。メジャーアニメーション、シネフィル感満載アメリカ映画、韓国映画、台湾映画を紹介します。「世界的に評価される監督の~」というフレーズいっぱい出てきます。邦画は来月に話題作がたくさん公開されますね。

イオンシネマ豊田KiTARA  https://www.aeoncinema.com/cinema/toyota/
「竜とそばかすの姫」7月16日より上映
監督:細田守 声の出演:中村佳穂 成田凌 染谷将太
高知の自然豊かな村に住む17歳の女子高生・すずは幼い頃に母を事故で亡くし、父と二人暮らし。母と一緒に歌うことが何よりも大好きだったすずはその死をきっかけに歌うことができなくなっていた。曲を作ることだけが生きる糧となっていたある日偶然にも、全世界で50億人以上が集う超巨大インターネット空間の仮想世界<U>に「ベル」というキャラクターで参加することになる…。
ここで紹介するまでもないメジャー作品ですが、細田守監督作は『時をかける少女』以来『サマーウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』『未来のミライ』とずっと観てきて、はずれなしなのでやっぱり紹介しちゃいます。今回も細田監督の永遠のモチーフ「こっちの世界」と「あっちの世界」が描かれるよう。
期待度☆☆☆☆★

「SEOBOK/ソボク」7月16日より上映
監督:イ・ヨンジュ 出演:コン・ユ パク・ボゴム
余命宣告を受けた元情報局員・ギホン。死を⽬前にし明⽇の⽣を渇望する彼に、国家の極秘プロジェクトで誕⽣した⼈類初のクローン・ソボクを護衛する任務が与えられる。だが、任務早々に襲撃を受け、なんとか逃げ抜くもギホンとソボクは2⼈だけになってしまう。危機的な状況の中、2⼈は衝突を繰り返すも、徐々に⼼を通わせていく…。
「パラサイト/半地下の家族」の米アカデミー賞受賞やNETFLEXでのヒットなど世界で評価され続ける韓国映画の新作。イ・ヨンジュ監督過去作未見ですが、2012年公開「建築学概論」が韓国での恋愛映画観客動員歴代1位と獲得したとのことで、興味ありです。
期待度☆☆☆★★

「ライトハウス」上映中
監督:ロバート・エガース 出演:ウィレム・デフォー、ロバート・パティンソン、ワレリヤ・カラマン
1890年代、アメリカ・ニューイングランドの孤島に灯台守としてベテランのトーマス・ウェイク(ウィレム・デフォー)と経験のない若者イーフレイム・ウィンズロー(ロバート・パティンソン)がやって来る。彼らは4週間にわたって灯台と島の管理を任されていたが、相性が悪く初日からぶつかり合っていた。険悪な空気が漂う中、嵐がやってきて二人は島から出ることができなくなってしまう。外部から隔絶された状況で過ごすうちに、二人は狂気と幻覚にとらわれていく…。
サンダンス映画祭でプレミア上映、批評家から高く評価されたデビュー作『ウィッチ』に続く第2作の本作も、全編モノクロ、スタンダードサイズというシネフィル感満載の完成度で各賞受賞している注目作。映画好きにはたまらないスリラー映画。
期待度☆☆☆★★

「1秒先の彼女」上映中
監督:チェン・ユーシュン 出演:リウ・グァンティン、リー・ペイユーロ
郵便局に勤めるアラサーのシャオチー(リー・ペイユー)は、仕事もプライベートもパッとしない。台湾では七夕の日は「七夕バレンタインデー」と呼ばれ、恋人同士で過ごすのが一般的。ある日、シャオチーはダンス講師のウェンソン(ダンカン・チョウ)と出会い、七夕バレンタインデートをすることになるものの、朝起きるとなぜかバレンタインの翌日になっていた…。
80年代以降ホウ・シャオセン、エドワード・ヤンなど世界で評価される監督を輩出してきた台湾映画界で、95年に『熱帯魚』で長編監督デビューを飾ったチェン・ユーシュン監督。しばらく映画から遠ざかっていたが、2013年より長編映画復帰し3作目の本作は台湾のアカデミー賞と言われる金馬奨の監督賞と脚本賞を受賞。
期待度☆☆☆★★

「親愛なる君へ」7月23日より上映
監督:チェン・ヨウジエ 出演:モー・ズーイー、ヤオ・チュエンヤオ、チェン・シューファン
ジエンイー(モー・ズーイー)は、今は亡き同性パートナーの家族である年老いたシウユー(チェン・シューファン)の家に間借りしながら、彼女と孫のヨウユーの面倒を一人で見ていた。そんな折、病気療養中だったシウユーが突然亡くなり、その死因をめぐってジエンイーは周りから疑いの目で見られる。警察の捜査によって彼に不利な証拠が出てきたため、ジエンイーは裁判にかけられる…。
台湾映画をもう1本。『一年之初(一年の初め)』や『ヤンヤン』で世界的に評価されたチェン・ヨウジエ監督の5年ぶりの新作。ミステリアスで重厚なサスペンス調の展開を匂わせつつ、徐々に真実が解き明かされていくと温かな情感溢れる結末まで一気に導かれる本作。こちらも台湾のアカデミー賞と言われる金馬奨で3部門受賞など。
期待度☆☆☆☆★

清水雅人プロフィール
2000年頃より自主映画製作を始め、映画作り仲間を中心に周辺の映画製作団体も統合してM.I.F(ミフ Mikawa Independet Movie Factory)を設立。監督作「公務員探偵ホーリー2」「箱」などで国内の映画賞を多数受賞。また、全国の自主制作映画を上映する小坂本町一丁目映画祭を開催。
2012年、サラリーマンを退職/独立し豊田星プロを設立。豊田ご当地アイドルStar☆T(すたーと)プロデユース、映像制作、イベント企画など行う。
2016年、豊田では初の市内全域を舞台にした劇場公開作「星めぐりの町」(監督/黒土三男 主演/小林稔侍 2017年全国公開)を支援する団体 映画「星めぐりの町」を実現する会を結成し、キャストオーディションやエキストラ管理、協賛金事業などをサポート。
2020年、映画「星めぐりの町」を実現する会を発展継承する形で「映画街人とよた」を設立。2021年全国公開予定「僕と彼女とラリーと」支援ほか、豊田市における継続的な映画映像文化振興事業を行う。


2021年6月1日火曜日

【コラム】「豊田(周辺)の映画館上映お勧め作紹介」清水雅人(2021.6)

豊田とその周辺地域の、演劇・映像・音楽・アートに関する情報と人材のネットワーク<TAG>Toyota Art Geneサイト → http://toyotaartgene.com/

※映画支援団体「映画街人とよた」サイトでの記事を転載したものです。

「映画街人とよた」代表の清水が、豊田周辺映画館[イオンシネマ豊田KiTARA]と[ムービックス三好]で観られるお勧め映画を紹介するコラムです。テレビ等でバンバン宣伝しているメジャー作品はなるべく避けたラインナップにするつもりです。
※試写等を見ている訳ではなく、期待度も含めたごく個人的なお勧め作品です、あらかじめご了承ください。
※本ページにて月イチペースでお勧め映画紹介しています。

6/2現在イオンシネマ豊田KiTARA及びムービックス三好の営業時間は21:00までです。

緊急事態宣言延長で、大作の公開の延期等もあり、現在の上映作はなかなか渋めのラインナップとなっています。逆に言うと、2館のようなシネコンでは普段はあまり組まれないミニシアター系の映画が観られるチャンスでもあります。どれも未見で期待と不安が混じる☆3つが多いですが、、、どうぞ参考にしてください。

イオンシネマ豊田KiTARA  https://www.aeoncinema.com/cinema/toyota/
「明日の食卓」上映中
監督:瀬々敬久 出演:菅野美穂 高畑充希 尾野真千子
1980年~90年代のポルノ映画から始まり、「ヘヴンズ ストーリー」「64-ロクヨン- 前編/後編」「有罪」などこれまでに圧倒的な作品数を監督する瀬々敬久最新作。
椰月美智子による同名小説を映画化、同じ「石橋ユウ」という名前の小学3年生の息子を育てる3人の母親たち。住む場所も家庭環境も違う【3つの石橋家の】行き着く運命は……。
本当にたくさんの作品を監督しているので、正直当たり外れもある監督ですが、、、今回は静かめな作品っぽいです。
期待度☆☆☆★★

「いのちの停車場」上映中
監督:成島出 出演:吉永小百合 松坂桃李 広瀬すず
こちらもいぶし銀な監督「八月の蝉」などの成島出監督作。無難な感じだろうな、、、とも思いつつ、主演吉永小百合が公開舞台挨拶をしていて、こういう時期にあいさつをするのはそれなりにリスクもあると思いますが、映画を愛する心意気を感じました。
現代医療制度・尊厳死・安楽死に向き合う社会派ヒューマン医療ドラマを描く、南杏子の小説「いのちの停車場」の映画化。
期待度☆☆☆★★

「猿楽町で会いましょう」上映中
監督:児山隆 出演:金子大地 石川瑠華
本作のようなミニシアター系ど真ん中の映画がイオンシネマでやるんですね~、児山監督は初監督作品。作品が結構面白いのか、主演2人に引きがあるのかわかりませんが、、、期待半分不安半分で挙げておきます。
監督を務めるのは、助監督として多数の作品参加し本作が初監督作品となる児山隆。主人公の小山田を演じるのは、ドラマ「腐女子、うっかりゲイに告る。」(NHK総合)の金子大地。ダブル主演として小山田のもとに転がりこんでくるヒロイン・ユカを『イソップの思うツボ』の主演に抜擢された石川瑠華が演じる。駆け出しのフォトグラファー小山田(金子大地)は、撮影で読者モデルのユカ(石川瑠華)と出会う。コケティッシュでピュアなユカに惹かれ、彼女を被写体に次々と作品を撮り始める小山田。そして二人は付き合い始め、猿楽町で撮った作品はコンテストで受賞し周囲に認められ始める。しかし、元カレの存在を知った小山田は次第にユカの言動を疑いはじめる......。
期待度☆☆☆★★

「クワイエット・プレイス 破られた沈黙」6月18日より上映
監督:ジョン・クラシンスキー 出演:エミリー・ブラント ミリセント・シモンズ
音に反応して人間を襲う“何か”を描いて低予算ながら大ヒットしたアクションホラー作品の続編。続編で面白いものは少ない―というセオリーも感じますが、前作は音が出せないというシンプルな設定が極めて映画的でとてもよかったですし、監督も前作から引き続きということで、お勧めしておきます。
期待度☆☆☆★★

「いとみち」6月18日より上映
監督:横浜聡子 出演:駒井蓮 黒川芽以
松山ケンイチ出演「ウルトラミラクルラブストーリー」の横浜聡子監督作。監督の出身地でもある青森でオールロケした映画のようですね。地方都市誘致映画としても観てみたい作品です。
「陽だまりの彼女」の越谷オサム原作「いとみち」を映画化。タイトルにもなっている“いとみち”とは、三味線を弾くときに爪にできる糸道(溝)のこと。そこから名前の由来をもつ相馬いとは、青森県弘前市の高校に通う16歳。特技は祖母と、今は亡き母から引き継いだ津軽三味線だが、強い津軽弁訛りと人見知りのせいで、本当の自分を誰にも見せられず友人も少ない。しかし津軽メイド珈琲店でのアルバイトがきっかけで大きく変化し、人前で弾くことを躊躇していた津軽三味線を、ある出来事から披露することになる……。
期待度☆☆☆★★

ムービックス三好 https://www.smt-cinema.com/site/miyoshi/index.html
「はるヲうるひと」6月4日より上映
監督:佐藤二朗 出演:山田孝之 仲里依紗 佐藤二朗
俳優の佐藤二朗が主宰する演劇ユニット「ちからわざ」が2009年に初演した舞台を、原作者の佐藤自ら脚本、監督を担当し映画化。今やクイズ番組のMCまで務める佐藤二朗だが、「50回目のファーストキス」や「今日から俺は!!」等の福田雄一監督作での軽妙さとも違う独特な雰囲気を感じさせる作品。
売春宿があちこちにある島に、3兄妹が暮らしていた。店を仕切る長男の哲雄(佐藤二朗)は凶暴な性格で恐れられ、次男の得太(山田孝之)は子分のように兄にごまをすり、長女のいぶき(仲里依紗)は長年の持病で伏せっている。そこで働く4人の遊女は哲雄に支配され、得太を見下し、女を売らず誰よりも美しいいぶきに嫉妬していた。
期待度☆☆☆★★

「カムバック・トゥ・ハリウッド!!」6月4日より上映
監督:ジョージ・ギャロ 出演:ロバート・デ・ニーロ トミー・リー・ジョーンズ モーガン・フリーマン
名優3人が1970年代のハリウッドを舞台に元気なおじいさんを演じるベタベタなハリウッドコメディ。何も考えないで笑える、3名優の奮闘ぶりだけで可笑しいハリウッド映画を観るのも、こういうご時世ではいいものです。
期待度☆☆☆★★

「アジアの天使」7月2日より上映
監督:石井裕也 出演:池松壮亮 チェ・ヒソ オダギリジョー キム・ミンジェ キム・イェウン 佐藤凌
公開作は観ておきたいを思う石井裕也作(「剥き出しにっぽん」「あぜ道のダンディ」「舟を編む」「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」「生きちゃった」ほか)。公開はちょっと先ですが石井監督作が三好でやるなら必ず観に行こうと思います。次回作もすぐ公開されるようですね。
妻に先立たれ、男手ひとつで一人息子の学を育てている青木剛(池松壮亮)は、疎遠だった兄(オダギリジョー)が暮らすソウルに移る。韓国で仕事があると聞かされていたものの、実際には兄は経済的に困窮しており、剛は怪しい化粧品の輸入販売を手伝うことに。一方、そのソウルでタレントとして活動するチェ・ソル(チェ・ヒソ)は、所属事務所の社長と関係を持ちながら自身をとりまく環境や兄妹との関係に悩みを抱えていた。
期待度☆☆☆☆★

番外編
プロレスラー・葛西純の壮絶な半生を追う「狂猿」(豊田KiTARA)、ロックグループ ボン・ジョヴィのコンサートを映画館で公開する「ボン・ジョヴィ フロム・アンコール・ナイツ」、2019年発表のデビューアルバムが世界中でヒットしたビリー・アイリッシュを追う「ビリー・アイリッシュ:世界は少しぼやけている」(ムービックス三好)とドキュメンタリー系映画の公開も興味がありますね。

清水雅人プロフィール
2000年頃より自主映画製作を始め、映画作り仲間を中心に周辺の映画製作団体も統合してM.I.F(ミフ Mikawa Independet Movie Factory)を設立。監督作「公務員探偵ホーリー2」「箱」などで国内の映画賞を多数受賞。また、全国の自主制作映画を上映する小坂本町一丁目映画祭を開催。
2012年、サラリーマンを退職/独立し豊田星プロを設立。豊田ご当地アイドルStar☆T(すたーと)プロデユース、映像制作、イベント企画など行う。
2016年、豊田では初の市内全域を舞台にした劇場公開作「星めぐりの町」(監督/黒土三男 主演/小林稔侍 2017年全国公開)を支援する団体 映画「星めぐりの町」を実現する会を結成し、キャストオーディションやエキストラ管理、協賛金事業などをサポート。
2020年、映画「星めぐりの町」を実現する会を発展継承する形で「映画街人とよた」を設立。2021年全国公開予定「僕と彼女とラリーと」支援ほか、豊田市における継続的な映画映像文化振興事業を行う。


2021年5月5日水曜日

【ダイアローグ】<TAG>通信映像版第3回「豊田の映画をとりまく状況、そして人材育成とは?/ゲスト岩松あきら氏」文字起こし、要約と所感(2016.11.10掲載)

1時間超の映像を見る時間を割くのが難しい方のために、<TAG>通信[映像版]の要約をお送りするシリーズの第3弾、今回は豊田の映画、映像をテーマに岩松あきら氏に話を聞いた。
※映像アップより時間が経ってからの公開になってしまいましたが、どうぞ参考にしてください。すべてを要約できてはないので、よろしければどうぞ映像版をご覧ください。
<TAG>通信[映像版] → https://www.youtube.com/channel/UCIjZssyxVzbc1yNkQSSW-Hg

豊田の映画の歴史、全国の映画の歴史 70~80年代
 豊田の映画の歴史について、岩松氏と筆者で考察するに、個人での制作、学校内での制作はあったようだが、組織的に豊田を拠点として映画作りを行っていた団体等はなかったと思われる。これは、ちゃんと分析したわけではないが、全国的にも、そんなになかったのではないか。
 70年代より、8ミリフィルムの民生化により、いわゆるプロではないアマチュアが映画制作をする「自主映画」が盛んになり、PFF(ぴあフィルムフェスティバル)などのコンテストも開催され、映画会社で修行をして監督になるのではなく、自主映画からプロの世界に入る人材も出だした。しかし、そうやって映画を作っていたのは主に学生であり、都市部に偏っていたのではないか。社会人になってもそのまま映画作りを継続する人材は、ごく限られていたのではないかと思われる。
 岩松氏も高校時代より8ミリにより映画制作を始め、学校内での上映や、大学時代は、演劇界と親密になり、大須の七ッ寺共同スタジオで映画上映をしたり、演劇と映像の融合を試みたりしていたが、豊田や三河地域の地方都市を拠点とするものではなかった。

豊田の映画の歴史、全国の映画の歴史 90年代
 全国的に言えば、90年代から、自主映画のメディアが8ミリフィルムからアナログビデオに変遷していくが、編集のしにくさ、フィルム感のなさなどから、8ミリほど盛り上がらなかった。これは、日本の映画界とも連動していて、戦後の映画隆盛時代からテレビの出現等による下降を経て、90年代は日本映画の最低迷期だったこととも重なる。
 ただ、そのころレンタルビデオ店が全国に乱立し、Vシネマ(映画館公開ではなくビデオ販売、レンタルを目的に作られた映画)が多数作られた。ホストの石黒氏も、富良野塾を卒業後、Vシネマのシナリオの依頼がたくさんあったと振り返る。現在、映画監督として活躍する人材も、この時期Vシネマを手掛けている人も多い。
 もちろん映画館の状況も連動した。豊田においては、駅前にあったアート座とコロモ劇場という映画館が90年代はじめになくなっている。全国的にも、駅前の映画館が段々なくなっていった。

豊田の映画の歴史、全国の映画の歴史 2000年以降
 過去2回で演劇、音楽をテーマにした回でも出たが、2000年前後で1つの節目があったというのは映画にも当てはまる。
 映画においては、パソコンの普及により、デジタル撮影、デジタル編集が可能になり、映像撮影・編集が各段にしやすくなったことだ。筆者もその流れの中で、1999年より映画製作を始め(まさにPC購入がきっかけだった)、岩松氏も大学卒業後一旦やめていた映画製作を再開させている。
 また、シネコンができ始めたのもこのころだ。豊田に関して言えば、MOVIX三好が2000年にオープンしている。ここから邦画の活況が始まり、2006年には邦画興行収入が邦画興行収入を20年ぶりに上回ることになる。
 岩松氏が映画作りを再開した2000年代前半を振り返る。そのころ、この地域でも映画を作り始める人や団体が発生してきていて、映像制作の専門学科を持つ大学や専門学校も増えてきていた。岩松氏も名古屋学芸大学やビジュアルアーツの学生と映画作りをしたりしている中、筆者と出会う。
 筆者は、PCを購入したことをきっかけに仲間内で映画制作を始め、その上映の場として2002年から小坂本町一丁目映画祭をスタートさせる。この映画祭は当初より、地元で作られた映画を上映する、というコンセプトだった。映画祭は年1回の開催になり、上映映画の関係者や、映画祭スタッフとして多くの人材が集まり始めていた。
 そんな中、2005年に筆者と岩松氏が出会い、一緒に映画作りをしようとなり、M.I.F.第1作となる「箱」を制作、その時のスタッフを母体にしてM.I.F.(Mikawa Independentmovie Factory)を設立する。
 当時、全国的にも映画制作人口は増加していたと思われる。自主製作映画コンペの老舗となっていたPFF(ぴあフィルムフェスティバル)の応募本数が2000年代より増加しはじめ、他にも全国で映画祭が多数開催されていた。
 M.I.F.においては、設立当時より、地域での活動、地方都市での映画制作をコンセプトとしていた。メンバーの主流が社会人だったということもあるが、東京に出てプロになることを目指すのではなく、自分の住む町を舞台に、地元の人たちと一緒にいい映画を作ることを目的としていた。地方の時代、地域活性化というキーワードが氾濫してきていた時期でもあったが、実感としては、ハードの革新により手軽に映画制作ができるようになり、地元で映画作りを楽しみたいという人が増えてきたのは自然な流れだったと思う。これは、70~80年代にはなかった発想だったと思う。

2000年代後半から現状
 撮影、編集機材の向上などによる映画作りの環境はどんどんよくなってきたはずだが、映画制作人口が増え続けているかというと、2000年代後半以降、そうでもないというのが実感だ。2000年代前半に全国でたくさん開催されていた映画祭はかなり減ったと思われるし、小坂本町一丁目映画祭でも、全国からの上映作品募集を2007年から開始したが、最初の頃は全国各地から応募があったのに対して、最近はほぼ東京地区からの応募になっている。
 これは、主に映像の仕事をしながら、プロへの足掛かりとして自主映画を製作してコンペに出品している人たちで、地方都市で気軽に映画を作ってみました、という人が少なくなっているためだと思われる。岩松氏も、全国の映画祭に招かれていくと、いつも同じ顔触れ、同じ監督がいるようになったように思うとのこと。
 その原因は、推測の域を出ないが、ネット等で公開して映画祭応募までしないのではないか、ドラマとしての映画作りよりYouTuber的な映像が主流になっているのではないか、映画作りにはチーム作りが必要だが若い人たちにはそれが面倒なのではないか、などの理由を挙げた。
 そんな中で、継続して映画作りと映画祭運営をしてきたM.I.F.は全国的にも珍しい存在になりつつあるのではないか。ハードの発達で映画制作はより少人数でできるようになっている中、地方での映画作りを組織的に継続的に行っている団体はそれほど他に例がないと思われる。

三河映画の試み
 岩松氏は、M.I.F.での活動を経て、2007年頃より「幸福な結末」という映画の制作に取り掛かる。これは、ブラックインディという全国的なプロジェクトに関わりつつ、劇場公開作を制作する試みだった。
 岩松氏は、まずはいい映画を作りたいという一心から制作をはじめ、そのためには1人で作るのではなく、人材を結集しなければならないと考えたと語る。その中で、筆者も「幸福な結末」については脚本、制作プロデュ―サ―として参加する。岩松氏は、そのような中で、人材や撮影地、その他さまざまな協力を地方都市で集結していく過程こそが地域振興であることに気付いて行った、映画を作りたかったら東京を目指すという発想ではなく、地方から直接世界に発信すればいいというコンセプトになったと言う。
 また、映画を作ったとして、自分で会場を借りて、友人や知人などに見に来てもらう上映会をするというサイクルから脱する必要性も感じていたという。そしてその先には劇場公開ができるようなクオリティの映画を作る必要があるという思いもあった。
 映画作りを再開しようと思った時に、お金もない、機材もない、スタッフもキャストもいない、これじゃやっぱり映画作れないな、とあきらめかけていた時に、とある人から「そんなもんやればいじゃん」と言われ、すべて自分への言い訳に過ぎなかったと気づいたと語る。東京にいないことを映画が作れない言い訳にしたくなかったという思いが、三河映画という試みに結集しているという。
 三河映画は、現在第2弾「Ben-Joe」の撮影真っ最中だ。

豊田をとりまく映画の状況とこれから
 現在、市民映画(行政なども絡んで、市民一体で映画を作ろうというプロジェクト)の制作が増えている。西三河地域でも、高浜や碧南、刈谷、岡崎などで次々と制作されている。そんな中で、豊田では市民映画が作られてない現状がある。
 1つには、岩松氏も筆者も、市民映画といってあまり面白い映画がない、あるいは監督やスタッフを東京から呼んできて撮ってもらうのはちょっと違う、という思いがあり、市民映画という形にせずに「幸福な結末」や「Ben-Joe」を作ってきたという経緯もある。
 また、一方では、豊田市駅前にシネコンがオープンするのに合わせて「映画を活かしたまちづくり実行委員会」も立ち上がり、やっと行政も絡んで、映画文化を醸成していこうという空気が出始めており、その先には市民映画制作は当然出てくる話だと考える。
 さらに、現在、豊田市に在住している黒土三男監督作「星めぐりの町」の制作も進んでいる(2017年3~4月撮影予定)。これも、豊田を映画の街にする大きなきっかけにしなければならないだろう。
 豊田をとりまく映画の状況は、M.I.F.や三河映画の自主的な活動を経て、シネコンオープンなどを契機に、映画をより市民全体で盛り上げていく時期になりつつある状況だと考える。

そして人材育成とは?
 最後に、人材育成についての話をした。M.I.F.は、映画制作と映画祭運営を両輪の活動としていて、ほとんどみんな映画作りなどしたことのないメンバーが、いちから映画作りを模索し、新しい人材を積極的に受け入れノウハウを引き継いできたのだが、徐々に、映画作りの過程のルーティン化はされたが、いい映画を作りたい、たくさんの人に見せたい、という思いや情熱という一番大切な部分がうまく継承されていかなかったと反省している、と筆者は投げかけた。
 岩松氏は、やはり映画制作の現場で、いい映画を作るには労力とアイディアと思いが必要だということを経験してもらう、現場で人材育成をしていくしかないのではと語る。
 石黒氏も、芝居を見ていて、関心はするが感動はしない、ということが時々あると言う。確かに、若い人たちの作品を見て、もっと無茶やっていいのに、もっと思いをぶつけていいのに、という行儀のよさを感じると筆者も思う。
 ということで、最後は、岩松氏が常に現場で映画制作を続けているように、石黒氏と筆者も本格的に芝居作りや映画作りをする現場を作っていきましょう、となった。


ゲスト:岩松あきら(いわまつあきら)
映画監督。高校時代より自主映画を撮り始め、これまでに国内外の様々な映画賞を受賞。2007年映画製作団体M.I.F.設立に参加、2010三河映画を立ち上げる。“三河映画”は、地元(人・企業・行政)から多くの協力と支援を得て、2011年、第一弾作品『幸福な結末』を完成。現在、小学校教諭だった岩松監督の教え子の身に「実際に降りかかった事件」を原案とした“三河映画”第二弾作品『Ben-Joe』の撮影真っ只中。
映画『Ben-Joe』の公式ホームページhttp://mikawaeiga.com
三河映画facebookページhttps://www.facebook.com/Benjoe.movie

【コラム】総製作費はプライスレス 市村直生(2016.8.20掲載)

映画の撮影を取材しました。
現場は愛知県の奥三河、設楽町(旧津具村)の廃校。
木造校舎で、窓枠や廊下の雰囲気が味わい深く感じられました。
ここに東京などの各地から俳優が集まり、監督ら撮影陣とともに合宿しながら撮影が続いていました。

普通、映画の撮影といえば億単位の予算を想像します。
角川映画が全盛期のころ「総製作費50億円!」などという宣伝文句が話題になりました。
設楽町の廃校で撮影中の映画には、そのような予算はありません。
俳優も撮影陣も基本的にボランティア。
食事は叙々苑の焼肉弁当のはずなく、地元から頂いた野菜などの食材で自炊していると聞きました。

「お金がなくとも、人と人のつながりで良い映画が作れることを証明したい」
岩松あきら監督の言葉が印象的でした。
撮影した映像の一部を見せて頂きました。
瞳の動きで微妙な感情を伝えるような、繊細な場面でした。
この先どうなるのか、非常に気になる展開でした。

詳細は「三河映画」で検索してください。

プロフィール
市村直生
とよたみよしホームニュース記者。中京大学を卒業後、2001年から矢作新報社で記者の仕事に携わり、2007年から現職。文化活動やスポーツで活躍する人、週末のイベントなど、地元の話題を取材しています。
メールthn1@hm9.aitai.ne.jp

【コラム】お金がなければいい映画は撮れない 岩松あきら(2016.7.14掲載)



 5月中旬からの2か月間。私は設楽町津具の山の中にいる。

 それはなぜか。三河映画第二弾「Ben-Joe(仮)」の撮影ため、キャスト・スタッフと共に、合宿生活を送っているからなのです。

 そもそも三河映画とは何かと言いますと、三河映画というのは、普通の劇場公開している商業映画のように、予算がありきでつくっているわけではないのです。キャストも、そしてスタッフも、全員手弁当で参加していて、「本当にいい映画をつくりたい!」という気持ちだけで参加しているメンバーしかいないのです。東京など見学から参加しているキャストやスタッフも多くいますが、地元のメンバー同様、全員手弁当と情熱だけで取り組んでいます。プロもアマチュアも関係ありません。

 では、予算がないのにどうやって映画をつくるのか。ということなのですが、私たちが選んだ方法は、「人とつながっていく」ということなのです。例えば、人と多く関われば、小道具が足りなくても、「こういう小道具をもっている方、いないかな?」と聞いて貸して頂いたり。ロケ地でも「こういう場所で撮りたいんだけど、知っている人はいませんか」といったことを投げかけをすれば、紹介して頂いたりする。そうやって、人とつながっていけば、問題は解決していくのです。

 最近、人間関係もすごく希薄なってきていると言われますが、映画をつくることによって人と関わる機会が増えるようになる。これがすごく楽しいことで、人と多く関われば、学ぶことも多く、私たちも成長することができる。逆に、人とと関わらなければ、人は成長できない。人は人と関わることでしか、成長できないと思うのです。

 私たちの映画制作は、お金ではなくて、人とたくさん繋がり、ひとりひとりのメンバーが人として成長する。それによって、商業映画と同じようなクオリティの映画をつくっていけるはずだ。そういう姿勢なのです。

 今、設楽町津具で映画を撮らせていただく中で、地元の方ともたくさん知り合いになり、満足いく映像が撮れています。津具の皆さんは、無茶苦茶あったかい。そのあたたかさによって、完成度は間違いなく上がっています。

 お金がなければいい映画は撮れない。

 きっとそう信じている人も多いことでしょう。でも、そんな人は、一度、私たちの合宿所(この一軒家も津具の方のご厚意で貸して頂いている)に足を運んでみてください。セットに来てみてください。

 人間って、お金じゃなくても、夢とか情熱とか、そんなもので動く人もいるんだ。きっとそんな思いをもってもらえることと思います。

岩松あきら
映画監督。高校時代より自主映画を撮り始め、これまでに国内外の様々な映画賞を受賞。2007年映画製作団体M.I.F.設立に参加、2010三河映画を立ち上げる。“三河映画”は、地元(人・企業・行政)から多くの協力と支援を得て、2011年、第一弾作品『幸福な結末』を完成。現在、小学校教諭だった岩松監督の教え子の身に「実際に降りかかった事件」を原案とした“三河映画”第二弾作品『Ben-Joe』の撮影真っ只中。
映画『Ben-Joe』の公式ホームページhttp://mikawaeiga.com
三河映画facebookページhttps://www.facebook.com/Benjoe.movie

【コラム】元日からダラダラと『演出』について考える 古場ペンチ(2014.2.3掲載)

2014年。元日。
今年も相変わらず見てしまったのは、『芸能人格付けチェック 2014年お正月スペシャル』です。

年末年始は必ず長崎の祖父の家で過ごしておりますが、なにしろ田舎過ぎて、何もやることがないんですよね。
だので、思いっきりおいしいご飯を食べて、石油ストーブでぬくぬくした部屋でおもっくそダラダラしながらテレビを見る。
そして、18:00~21:00は「GACKT様すげー」とか言いながら自分の格を測ったりするのです。

今年、僕はひとつ楽しみにしていた問題がありました。
それは『演出』の問題。

簡単に言うと

同じシナリオのショートムービーを2つ見て、プロが撮ったものとそうでない者が撮ったものを判別する

と言う問題です。
今回の監督は、代表作『呪怨』の清水崇監督、吉本興業の西川きよし監督のお二方。

楽しみにしていたと言うか、リベンジに燃えていましたね。
絶対に負けられない戦いがそこにはあるのです。

んで。結果や如何に。

…その前に、何故、『リベンジかつ負けられない』のか。
恥ずかしながら『去年しくじったから』ってのは、まぁ、そりゃそうなんですが、
もう一つの理由は『去年より自分の"演出力"が向上したと思っているから』なんです。少しですけど。
僕はずーっと演劇畑で育って来ましたが、最近、短編映画の脚本・監督・編集なんかやったりして、映画の畑も耕し始めたのです。
実際、15分の畑を耕しました。
たった15分ですが、演劇とは別の喜びやら苦悩やらがたーんと実って、僕の血となり肉となったような気がします。

と言うわけで、今年の演出の問題は絶対に当てたかったのです。
結果や如何に。


はい。間違えました。


何だとぉぉぉ!!!?
すっげぇ自信あったのにぃぃぃ!!!
自信あり過ぎて、むしろ、ちゅっげぇじちんあったのにぃ!

僕が食べたあの実は何だったのでしょうか。
恥ずかし過ぎて穴があったら入りたいです。そして誰かに蓋をして欲しいです。

「西川きよし監督はお笑い芸人だから面白可笑しく撮るだろう」とか、そう言う偏見は抜きにして判断したつもりです。
僕が判断の基準としたのは『随所に見られる演出が、効果的かどうか』です。
プロの作品の方が、効果的な演出を炸裂させるだろう、と。

答えが分かった後に、清水監督がどこに演出的な工夫をしたのかご本人による解説があったのですが、
そのどれもが僕には≪逆効果≫に思えた部分でした。

例えば、物語の終わりに『主人公の女性をケチャップまみれにする』際の演出。
どの程度やるかが判断の分かれ目になるのですが、
清水監督は≪あり得ないほどド派手≫に、きよし監督は≪あり得ないこともない程度≫に。
僕はこのあり得ないド派手さを見て、「節操がないなぁ」と思ったのです。
僕は、あり得ないことをやるには、あり得なさを肯定する前フリが必要だと考えています。
前フリなしでやることが≪メリハリ≫だという意見もありますが。

今回このコラムで言いたかったことは、清水監督作品への批判ではありません。
僕がまだまだひよっこであることでもありません。
批判できるほどの器でもないし、ひよっこであるのは当然ですからね…。

 演出って難しいですね。でも、演出の違いに気づいて、自分で選んでいきたいですね。

ってことです。

演劇も映画も、さまざまな選択肢からひとつの演出に絞って作品を作り公開するわけですが、
演出を決める瞬間はいつも緊張と責任を感じています。
でも、それが演劇や映画の魅力でもあると思っています。

2014年。
演劇に映画にもっと多く携わって、どんどん畑を耕し、おいしいものをたくさん食べたいですね。
そして、たくさんひり出したいですね。

古場ペンチ こば・ぺんち
役者・演出家。個人ユニット『Pinchi』にて活動中。福岡で学生時代から演劇をはじめ、来豊後も様々な舞台に出演。また、作・演出も手掛ける。

【コラム】始めるチカラ 松下智美(2013.12.31掲載)

 2013年、恐らく<TAG>最後の投稿。
 そんなときに非常に私的な書き出しで恐縮であるが、私は現在0歳児の母をしている。にこにこ笑いながら、けれどまだ言葉を話せない娘との日々。芝居に関わりたいと思っても、自分だけの時間を持つのは難しい。トイレのドアを閉めて入ることさえなかなかできない状況である。食事の支度、オムツ交換、授乳に入浴、寝かしつけ。家事を一通り終えてダイニングでほっと一息とお茶を入れた途端、目を覚ました娘の泣き声。再度寝かしつけをして戻り、冷めてしまったお茶をゴクゴク飲む。そんな、子育て中の人にとってはごくごく当たり前の、日常。

 決して、悲観的なわけではない。毎日は、楽しくて発見だらけ。それこそエキサイティングだ。けれど、やっぱり大変だなあと思う日もたまにはある。同じような日々の繰り返しをしているときなど、「芝居に関わりたいけれど、今は関われないなあ」と、思ってしまう。「できない」ことの言い訳ばかり、上手になっていく。ただそれで納得しているかどうか、話は別。

 さて、本題に入る。
 今月21日、本ブログでも告知させていただいた短編映画企画「さゆみ企画」の上映会に行ってきた。この上映会、豊田で活躍する役者・加東サユミさんの「何か面白いことをしたい」という所謂思いつきから始まった企画である。
言い訳が癖になっている人間は、きっとこのように言うだろう。
「何か面白いことをしたい」
「でも」
「豊田じゃ無理だよね」
 近頃「できない」言い訳が得意な私が言うのだから間違いない。
 けれど今回の企画は、上記でいうところの「でも」からの言葉が続かなかったから実現したものである。
「何か面白いことをしたい」
「今豊田にないのなら」
「自分たちで作ってしまおう」
 エネルギー溢れる、4人の監督。「監督」といっても、うち3人は映画を撮ることそのものが初めての人間である。無謀と言う人もいるかもしれない。けれど、カタチになって、上映会を迎えている。

 当然、カタチにすることは簡単なことではない。その簡単ではないことを、楽しみながらそのエネルギーでもって突っ走って、公開できているところに大きな意味がある。
暑い夏の日の撮影。そして寒い冬の日、お寺での上映会。各監督が上映前、上映後に発した言葉は正直そんなに覚えていないのだが、それぞれがとても楽しそうだったことが印象的。辛かった、とか、大変だった、とか、さて言っていただろうか。いい大人が4人、そして企画発案者のサユミさんを加えて5人、子どものように無邪気な顔をしていた。

 今回の企画、キャッチコピーは
「書いちゃえ!演っちゃえ!撮っちゃえ!」
 まさにそんな雰囲気が現れている上映会だった。それぞれの映画に対する細かい感想をここで書くのは控えさせてもらうが、全体についての個人的な感想を言うなら、荒削りだがエネルギーを感じる作品たちだった。ああ関わりたい、と思った。できることはないけれど…と、言い訳ばかり繰り返すのはやめて。

 「さゆみ企画」は、第二弾が企画されている。されている、とはいっても、まだまだ未知数。なぜなら、現在新たな撮り手を募集しているからだ。このブログにアクセスしている人かもしれない、今まで演劇にも映画にも関わったことがない人かもしれない、豊田の商店街で育った人かもしれない。誰が監督になるのかは誰も知らない。

 豊田には力がある。何かを始めようとする、新しい力があちらこちらに転がっている。そう信じられる企画。その現場にいられたことが、まず幸せ。
 今回見逃した方、次はあなたが中心で、ぜひ。


松下智美 
とよた演劇アカデミー4期生修了後、<TUG>に参加。総務担当を経験し、<TAG>事務局メンバー。現在は子育てにも奮闘中。

【コラム】さよなら2013年、良いお年を! 岩松あきら(2013.12.27掲載)

 現在、三河映画「Ben-Joe」の制作に精魂を傾け続けている岩松です。TAGのスタッフの方から、テーマは自由でいいので何か原稿を…というお話でしたので、徒然なるままに原稿を書かせて頂きます。

 今回は、映画鑑賞について少々書いてみます。私の大好きな監督の一人にスタンリー・キューブリックという監督がいますが、彼はあるインタビューで「映画の制作者は、傑作を観るより駄作を観た方がいい」と言ってます。確かに名作を観ると感動はするものの、制作意欲がガクンと落ちたりします。こんな素晴らしい映画をつくれる監督がいるなら自分なんかが映画をつくらなくていいんじゃないか。ええいっ、もう映画なんか一生つくらないで鑑賞だけしてやる。そんな気分になります。その一方、つまらない映画を観ると、俄然、制作意欲が高まってくる。こんな映画だったら、自分がつくった方がましだって、偉そうな気分になる訳です。

 まもなく2013年も終わり。そんな訳で、私を感動させるとともに、凹ませてくれた、2013年のベスト5を発表!

1)「風立ちぬ」監督:宮崎駿
2)「舟を編む」監督:石井 裕也
3)「清洲会議」監督:三谷幸喜
4)「かぐや姫の物語」監督:高畑勲
5)「テッド」監督:セス・マクファーレン

 長編の映画制作をするようになってから、めっきり映画鑑賞の本数が減ってしまったので、何であの作品が入ってないの? と思われる方もいるかと思いますが、ご容赦ください。宮崎駿監督の引退もありましたが、今年は何と言ってもジブリの年でした。1位と4位は、70歳以上の宮崎・高畑両監督が若者に負けない瑞々しさを詰め込んだ作品。ただただ感服。三谷映画は、デビュー作の「ラジオの時間」以外はつまらないというのが私の意見でしたが、「清洲会議」でようやくやってくれました。2位は、「おくりびと」が好きな人にはお勧めの小品。5位は、愛らしいぬいぐるみが主人公なのに、R指定されている国が多いという下品さが素晴しい。

 最後に、2013年、私を退屈させるとともに、やる気にさせてくれたのは、「ヒッチコック」「映画 謎解きはディナーのあとで」…といった作品。よしっ、2014年も映画「Ben-Joe」の制作、がんばります! みなさん、良いお年をお迎えください。

岩松あきら
映画監督。高校時代より自主映画を撮り始め、これまでに国内外の様々な映画賞を受賞。2011年初の長編「幸福な結末」を三河映画として製作。
三河映画facebookページ https://www.facebook.com/Benjoe.movie

【コラム】30年間遊び続ける高校2年生 岩松あきら(2013.12.3掲載)

 ことの始まりは、高校2年生の夏。とてつもなくつまらない自主映画をつくりあげてしまったことがすべて。片思いのクラスメイトをヒロインに据え、その他のキャスト・スタッフを親友たちで固めました。編集機がないのでカット順に撮影し、移動撮影のために農家にリヤカーを借りる。アフレコができないからカメラの傍らでラジカセを抱えながら撮影する…。ヘタクソながらも、それはそれは楽しい映画づくりの日々でした。

 それから、27年後の夏。高2の時と同じように、この三河で、私は自分たちのつくりたい映画を必死でつくっていました。それが、三河映画第一弾の「幸福な結末」です。

 高2の時、クラスメイトに映画を褒められたいと思っていたように、日本全国、世界へ発信できるクオリティをめざしました。しかし、私たちにはお金がありません。もちろん、映画製作のプロもいません。周囲に協力を求めると、こんなことをよく言われたものです。

 お金はどれだけ出るの?
 劇場で公開される保証はあるの?
 協力すると、何かメリットはあるの?

 そんな時、私はいつもこう思ってました。潤沢な制作費があり、劇場で公開される保証があり、世界の映画祭で上映される保証がある。そんな映画がこの三河で製作されることが今まであったのかと。そして、これからもそんなことがあるのだろうかと。そんな企画がどこにあるんだと。

 みんな、ありもしない〝それ〟を待っている。〝誰か〟がやるのを待っている。仲間が見つからない。プロのつてがない。時間がない。お金がない…。そうやって、自分が行動を起こさなくていい理由を並べて、待ち続けている…。

 マハトマ・ガンジーの言葉で、私が好きな言葉があります。
―あなたがこの世界で見たいと願う変化にあなた自身がなりなさい―

 私たちは、「幸福な結末」で、この言葉を実行に移しました。全国オーディションを豊田で行い、総勢600人以上の役者さんと出会い、撮影は合宿体制。スタッフ・キャスト全員ボランティアで参加。完全自主製作体制でつくりあげました。

 それから3年後の今。私たちは「Ben-Joe」という三河映画で、再びガンジーの言葉を実行しています。相変わらず、お金もつてもありません。あるのは、「とてつもなく面白い映画が完成した」というビジョンです。

 私にとって、三河映画とは、このビジョンに向かって、再び高2の夏を過ごすことにほかなりません。つまり、誤解を恐れずに言うならば、三河映画は、ワクワクドキドキする時間を過ごすための「遊び」なのです。そして、私たちのこの「遊び」が誰かの役に立てたなら、こんなに幸せなことはない。そう思っているのです。


岩松あきら いわまつ・あきら
映画監督。高校時代より自主映画を撮り始め、これまでに国内外の様々な映画賞を受賞。2011年初の長編「幸福な結末」を三河映画として製作。

【コラム】短編映画企画「さゆみ企画」の心地よい軽さ 清水雅人(2013.12.1掲載)

レポート 短編映画企画「さゆみ企画」の心地よい軽さ

 映像制作のデジタル化が進み、誰でも手軽に映画が作れるようになって久しい。具体的に言えば、PCハードディスクの廉価化、映像編集ソフト普及等が始まったのは、2000年代当初なので、10年余りが経過している。さらに、その間も技術はどんどん進歩し、ハンディカメラでもハイビジョン撮影は当たり前、携帯電話カメラでの撮影でも、かなりの解像度の映像が撮れるようになっている。

 それなら、自主映画制作人口――いわゆるアマチュア映画制作者の数も順調に増えてきたかと言えば、実はそうでもない。2000年代当初には、映画コンペ応募数が増大し、日本各地で自主映画や短編映画を上映する映画祭が多く誕生したが、数年で応募数は頭打ちになり、有名な映画祭以外は淘汰されて姿を消した。事実、映画祭だけでなく、自主映画・短編映画の上映会も、名古屋でも決して多くない。

 その原因の分析は、スペースの都合でここではしないが、そんな中、豊田でふっと4本の短編映画が制作され、その上映会が開催される。「さゆみ企画」という怪しげな名のこの企画は、まさしく〝ふっと〟作り手が集まり、〝ふっと〟映画を作ってしまったという印象だ。

 ことの発端は、昨年度、豊田市駅前のヴィッツの地下にある豊田市民ギャラリーを活用した、演劇・映像・音楽の融合イベント〈TUG〉において(〈TUG〉は当誌を作っている〈TAG〉の発端でもある)、演劇参加した役者加東サユミの「何か面白いことをしたい」という発言に、地元で活動している映像制作者や演劇関係者がノったところから始まる。

 だが、ことは壮大なプロジェクトと化したわけではない。数名がサイゼリヤでお茶を飲みながら何回かの打ち合わせで企画を持ち寄り、シナリオを検討して、8月~9月に各作品1~2日で撮影をしてしまっただけである。

 この〝ふっと〟映画を作ってしまったという軽さには、実は、豊田において、ジャンルを超えた人材のネットワークができつつあるという下地がある。例えば、長年豊田の演劇界を牽引してきた石黒秀和氏は、もともとは映像シナリオを志した経緯があるが、実は今回が映像初監督作になる。堂前奈緒子氏も古場ペンチ氏も豊田演劇の若手のホープだが、映画の監督は初挑戦だ。ここでは、映画制作団体M.I.F.(ミフ)のメンバーのサポートがスムーズに入ったことも大きい。

 さらに、豊田市駅周辺の商店街での撮影もスムーズに行われ、上映会も商店街の中にあるお寺で行うなど、これらも、これまでの商店街との繋がりが下地にあるのは確かだ。

 昨今では珍しいとさえ言える自主映画・短編映画上映会が〝ふっと〟豊田で開催されることに、大いに期待したい。

さゆみ企画上映会「Toyota(豊田)Temple(お寺)Tanpen(短編)Theater(映画館)」の開催概要、上映作品は、こちらをご覧下さい。

清水雅人 しみず・まさと
映像作家・プロデューサー。豊田を中心に活動する映画製作団体M.I.F.代表。映画製作の他にも、小坂本町一丁目映画祭運営、豊田ご当地アイドルStar☆Tプロデュ―スなどを手掛ける。