2022年3月24日木曜日

【ダイアローグ】<TAG>ダイアローグ 第39回「長久手市文化の家、アートと福祉」ゲスト黒野正直氏 石川貴憲氏(長久手市文化の家)永坂正和氏(豊田市民文化会館)動画公開(2022.3)

豊田とその周辺地域の、演劇・映像・音楽・アートに関する情報と人材のネットワーク<TAG>Toyota Art Geneサイト → http://toyotaartgene.com/

豊田で活躍する人材をお招きしてお話を伺う<TAG>ダイアローグ。
2022年3月号は、長久手市文化の家事業課の黒野正直氏、長久手市文化の家フランチャイズアーティストでサックス奏者の石川貴憲氏、豊田市民文化会館所長の永坂正和氏をゲストにお招きし、アートの福祉への関わり、アートの福祉事業などについて、長久手市の取り組みなどについて伺いました。最後には石川貴憲さんのサックス演奏もいただきました。 この収録は豊田市民文化会館内の豊田カフェ/オープンスペースにて、2022年3月13日に公開収録されました。 
出演:黒野正直、石川貴憲、永坂正和、石黒秀和、清水雅人 長久手市文化の家サイト https://www.city.nagakute.lg.jp/bunkanoie/index.html

<TAG>ダイアローグ 第39回「長久手市文化の家、アートと福祉」ゲスト黒野正直氏 石川貴憲氏(長久手市文化の家)永坂正和氏(豊田市民文化会館)
2022年3月号 動画こちら → https://youtu.be/5Q1RQ4pMHx0

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2022年3月4日金曜日

【コラム】「ありがとう」が言えない 石黒秀和(2022.2)

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 中学の時だったか、突然、「あ」の言葉が出なくなった。言葉の「あ」である。特に「あ」が言葉の頭に来るとき、それは顕著だった。それで困ったのが「ありがとう」の言葉である。クラスで、学級委員としてかける終業の号令「ありがとうございました」が言えなくなったのだ。それでも当時はそれを誰にも相談できず、秘かに悩んだ挙句、幾つかの方法を編み出した。例えば、「(あを2回続けて)あ、ありがとうございました」。例えば、「(あを伸ばして)あーりがとうございました」。しかし当然どれも違和感ありありで、クラスメイト達からも不審がられ、次第に追い込まれていった僕はついにこう考えた。ならば、いっそのこと「あ」を言うのをやめてみたらどうか? つまり「りがとうございました」。ある日思い切ってこれを試してみた。すると、これが案外うまくいった、ような気がした。そこでそれからは「りがとうございました」で通すことにした。それは高校卒業まで続いた。

 吃音。今思えばおそらくその一種だったのだろう。日常会話の中で言えなくなることはほとんどなく、高校卒業と同時にその症状に悩まされることもほとんどなくなったので、やはり終業の号令がプレッシャーになっていたのでは? 今はそんな風に思っている。そもそも僕は小学生の頃から、首を振ったりまばたきしたりのいわゆるチック症状が幾つかあり、それは今も治っていない。チックだと言われたのは実は大人になってからで、それまではずっとただのクセだと思っていたので、それが精神的なものだと言われた時は、正直、ピンとこない部分もあったのだが、なるほど、心と身体、言葉のつながりとその不可思議を子どもの頃から身をもって体現し続けていたのだと考えたら、今演劇にハマっている理由もちょっとだけ分かったような気がした。演劇とは、まさにこの心と身体、言葉について考えることなのだから。

 さて、なぜこんなことを急に書いたかと言うと、実は先日、妻に、「あなたはありがとうの言葉が言えないわね」と言われたからだ。吃音のことではない。自分への感謝やお礼の言葉が言えてないと言われたのだ。いやいや、そんなことないでしょ! むしろ必要以上に言ってるでしょ! と猛烈に反論したい気持ちもあったのだが、実際妻はそう感じているのだ。素直に「ごめんなさい」と謝った。考えてみれば、「ありがとう」も「あいしてる」もいつの間にか当たり前となって、最近妻には言えていない、気もしないではない。ただ、「ごめんなさい」は年々確実に言う機会も回数も増えている。……。

 「ありがとう」を再び意識する、そんな今日この頃なのである。


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石黒秀和(いしぐろひでかず)プロフィール
1989年に倉本聰氏の私塾・富良野塾にシナリオライター志望として入塾。卒塾後、カナダアルバータ州バンフに滞在し、帰国後、富良野塾の舞台スタッフやフリーのシナリオライターとして活動。1993年より9年間、豊田市民創作劇場の作・演出を担当する。
2003年、2006年には国内最大級の野外劇「とよた市民野外劇」の作・演出を担当。その後、人材育成の必要性を実感し、舞台芸術人材育成事業「とよた演劇アカデミー」(現在はとよた演劇ファクトリー)を発案、実行委員として運営に携わり、2011年から2015年まで短編演劇バトルT-1を主催する。
2012年からはTOCを主宰して市民公募のキャストによる群読劇を豊田市美術館などで上演。2017年からは、とよた市民アートプロジェクト推進協議会委員長として様々なアートプログラムの企画・運営に従事し、同年、とよた演劇協会を設立。会長に就任し、2020年、とよた劇場元気プロジェクトを実施する。
その他、演劇ワークショップの講師や人形劇団への脚本提供・演出、ラジオドラマ、自主短編映画製作など活動の幅は多様。これまでの作・演出作品は70本以上。1997年からは公益財団法人あすてのスタッフとして社会貢献事業の推進にも従事。豊田市文化芸術振興委員ほか就任中。平成8年度豊田文化奨励賞受賞。平成12年とよしん育英財団助成。平成27年愛銀文化助成。日本劇作家協会会員。

【コラム】「豊田カフェについて」清水雅人(2022.2)

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 昨年の10月より想定以上の多忙が続き、生来の面倒臭がりもたたって、<TAG>の活動、コラム投稿、市内の文化芸術情報の発信等が滞っていて大変申し訳ない。どうしてそれほど多忙だったかの言い訳をして、お許しを乞いたい。

 事の顛末を話しておくと、2年ほど前より豊田のまちなか地域にライブハウス/小劇場を作ろうと思ったところから始まる。キャパシティ50~100程度のライブハウス/小劇場的な“場”が、これまで豊田まちなかに継続的にあったことはなく、30代に映画から始まり、音楽、演劇、アート等と関わってきた私も50代を迎え、最後の役目として、そのような“場”を作ろう思うのは、当然の流れだったと思う。

 だが、、、まずは場所探し/物件探しから、と思い立った頃、新型コロナウィルス感染症が現れた。特に最初のクラスターが大阪のライブハウスで起こったという報道で「ライブハウスを作ろうと思っています」と言えない状況になり、場所探しは一旦停止するしかなかった。
 1年が経ち、コロナ禍はまだまだ続く様相だったが、2021年4月より場所探し/物件探しの腰を上げた。半年~1年かけて場所を決め、そこから資金集めをし、2023年春を目処にオープンできればという計画だ。
 豊田のまちなかを歩いて回り、いろんな方に話も聞いた。テナント入居の条件について話し合う物件もあった。ただし、それなりの広さ(40坪程度を想定)が必要なライブハウス/小劇場となるとテナント料も高くなる。防音工事を行うと改装費は2,000万円を超えることもわかってきた。これらの資金はクラウドファンディングを活用して、、、オープンはもう少し先になるか、、、と思っていた頃に豊田市民文化会館の話が耳に届いた。

 これまでレストランスペースとして飲食業者に貸していたスペースだが、来店者が少なく収益も上がらず、お店が入れ替わる状況が続いている。そこで、厨房とホールフロアに分けて、厨房部分のみを貸し出し、テイクアウト方式のカフェ事業者を募集する(貸し出し面積が小さければいわゆる家賃が安くなる)。
 ホールフロアは、文化会館が管理し、もちろん飲食スペースとしても活用するが、合わせてオープンなスペースとして、様々なイベント・ワークショップほかを開催して賑わいを創出したい、ついては、オープンスペースの活用に関しても文化会館と連携して企画運営ができる事業者を求める、という内容だった。

 ライブハウス/小劇場立ち上げの話をずっとしてきた音響の正木さんと、市内で飲食店を経営し正木さんと豊田市民音楽祭を主宰する板倉さんと、私の3者で合同会社を設立し、この募集に参加することにした。
 2021年8月末に募集が始まり、企画書を作成・提出、9月末に企画提案型入札(プロポーザル)があり、なんとか無事に落札することができた。
 オープンは豊田市民文化会館のリニューアルオープンに合わせて2021年11月2日とのこと。約1ヶ月で開店準備を行わなくてはならない。
 店名は、勇気をもって、シンプルに「豊田カフェ」と名付けた。
 開店後も、オープンスペースの活用方法について試行錯誤し、走りながら豊田市民文化会館、豊田市とも話し合いを重ねた。
 開店3ヶ月が過ぎ、少しずつ形が見えてきた。

 3月より、地元で活動するアーティスト/バンド2組による音楽ライブ、映画上映会(復活!小坂本町一丁目映画祭)、そして文化芸術人材のトークショー<TAG>ダイアローグ公開収録を月イチで開催していく。
 5月からはこれに、演劇等イベントも加わる予定だ。
 合わせて、豊田ご当地アイドルStar☆Tライブ、市内団体・アーティスト公演(3/16には喜劇団・笑劇派のイベントも開催)、豊田市民文化会館の企画も行われる。
 月に15~20イベントが開催されていくことになるだろう。

 当初のライブハウス/小劇場のイメージとは少し違うのは確かだ。防音・暗転にはならないがかなりオープンな空間だ、駅からは少し遠いが駐車場は無料だ、公共施設のため事業に制約があることも確かだ。
 しかし、当初の計画でも音楽ライブだけでなく演劇や映画、その他のイベントを複合的に開催していく必要があると考えており、このもっとも重要な目的は一致する。
 人の賑わいに欠かせない飲食もある。そして、何より、費用的に継続した運営の可能性がぐっと上がったことも重要だと思っている。

 ここを、豊田の、文化芸術だけでなく、まちづくりや福祉、観光など様々な人材や情報が集まる“場”に、時間をかけて育てていきたいと思っている。


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清水雅人(しみずまさと)プロフィール
2000年頃より自主映画製作を始め、周辺の映画製作団体を統合してM.I.F(ミフ Mikawa Independet Movie Factory)を設立(2016年解散)。監督作「公務員探偵ホーリー2」「箱」などで国内の映画賞を多数受賞。また、全国の自主制作映画を上映する小坂本町一丁目映画祭を開催(2002~2015年に13回)。コミュニティFMにてラジオ番組パーソナリティ、CATVにて番組制作なども行う。
2012年、サラリーマンを退職/独立し豊田星プロを起業。豊田ご当地アイドルStar☆T(すたーと)プロデユースをはじめ、映像制作、イベント企画などを行う。地元の音楽アーティストとの連携を深め、2017年より豊田市駅前GAZAビル南広場にて豊田市民音楽祭との共催による定期ライブを開催。2018年2019年には夏フェス版として☆フェスを同会場にて開催、2,000人を動員。
2016年、豊田では初の市内全域を舞台にした劇場公開作「星めぐりの町」(監督/黒土三男 主演/小林稔侍 2017年全国公開)を支援する団体 映画「星めぐりの町」を実現する会を設立し、制作、フィルムコミッションをサポート。2020年、団体名を「映画街人とよた」に改称し、2021年全国公開映画「僕と彼女とラリーと」支援ほか、豊田市における継続的な映画映像文化振興事業を行う。
2017年より、とよた市民アートプロジェクト推進協議会委員就任し(2020年度終了)、あいちトリエンナーレ関連事業の支援やとよたアートプログラム支援を行う。

2022年3月3日木曜日

【ダイアローグ】3/13 <TAG>ダイアローグ 豊田カフェ/オープンスペースにて公開収録 ゲスト:長久手文化の家 黒野雅直氏 石川貴憲氏

豊田とその周辺地域の、演劇・映像・音楽・アートに関する情報と人材のネットワーク<TAG>Toyota Art Geneサイト → http://toyotaartgene.com/

豊田の演劇・映像・音楽・アートに関する情報と人材のネットワーク<TAG>にて行っている豊田で活躍する人材をお招きしてお話を伺う<TAG>ダイアローグ。
誠に申し訳ありません、管理人が多忙のため開催、投稿が滞っておりましたが、2022年3月より<TAG>ダイアローグを豊田市民文化会館内の豊田カフェ/オープンスペースにて毎月行っていくこととなりました。公開収録し、撮影した動画も公開します。

再開の2022年3月号のゲストは、豊田市隣接の長久手市にて先進的な事業を多く手掛ける長久手文化の家事業係職員でコスチュームアーティストでもある黒野雅直氏、長久手市文化の家フランチャイズアーティストでサックス奏者の石川貴憲氏に豊田市民文化会館職員も交えて、活動の紹介とともに、地域文化、地域福祉における”場”の重要性、豊田カフェ/オープンスペースがどのような場になったらいいか等についてお話を伺います。
ぜひ会場にて生トークご観覧ください!

<TAG>ダイアローグ
【日時】3月13日(日)15:30開演(16:30頃終了予定)
【会場】豊田カフェ/オープンスペース(豊田市民文化会館内)
【出演】ゲスト:黒野雅直氏(長久手文化の家事業係 コスチュームアーティスト)、石川貴憲氏(長久手市文化の家フランチャイズアーティスト サックス奏者)、豊田市民文化会館職員 ホスト:石黒秀和・清水雅人
観覧無料 隣接の豊田カフェは通常営業中です ぜひ合わせてドリンク・フードをお楽しみください
※<TAG>ダイアローグの動画は、後日<TAG>サイトにて公開されます。