2021年5月6日木曜日

【レポート】劇団ドラマスタジオ第25回公演 「子供の時間」観劇レポート/TAP編集部(2019.7掲載)

今回観劇させていただいたのは劇団ドラマスタジオ第25回公演「子供の時間」。

 リリアン・ヘルマン作の戯曲である。物語の舞台は1930年代アメリカ、マサチューセッツ州郊外。良家の子女が学ぶライト・ドビー女学校。カレン・ライトとマーサ・ドビーは学校の経営者である。経営も軌道に乗り始め、またカレンはこの地の有力者で学校生活の支援者でもあるティルフォード夫人の甥、ドクター・ジョーゼフ・カーディンと婚約。全てが順調に見えていた矢先、ティルフォード夫人の孫娘、メアリーの嘘により、彼女達の人生の歯車が大きく狂い始める。

 人の嘘によって崩される人間社会を主題とした本作。最終的に「嘘」は人を自殺にまで追い込んでしまう。ストーリーは想像以上の重さであったが、その背景に、中学生キャストの表現力が光った舞台であった。

 また、個人的に学校という教育現場について改めて考えさせられた。信頼関係が崩れる時こそ、人は嘘をつくのである。言っていることを信じて貰えない。言いたいことを言えない。何も言わなくなる。それが認められる様な社会にはなって欲しくない。今のそして未来の子ども達に自由に発言したり、表現をする場を与えて続けて欲しい。

 最後に、来年度は劇団ドラマスタジオ20周年公演という事で、もう少しソフトな物語をやります、と岡田監督。記念公演に期待が高まる。

公演概要
劇団ドラマスタジオ第25回公演「子供の時間」
作/リリアン・ヘルマン 訳/小田島雄志 演出/岡田 隆弘
** あらすじ **
1930年代アメリカ、マサチューセッツ州郊外。良家の子女が学ぶライト・ドビー女学校。この学校の経営者カレンとマーサは親からの信頼も厚く、やっと経営も軌道に乗り始めていた。また、カレンは、この地の有力者で学校の支援者でもあるティルフォード夫人の甥、ジョーと婚約することになり、全てが順調に見えていた。
しかし、ティルフォード夫人の孫娘メアリーの心ないある嘘によって、彼女達の人生の歯車が大きく狂い始めていく・・・
日時:6月15日 (土) PM6時30分開演 16日 (日) PM2時00分開演
場所:豊田市民文化会館 小ホール

劇団ドラマスタジオとは
主宰 岡田隆弘を中心に市民創作劇として集まったメンバーで2000年に旗揚げ。
愛知県豊田市で活動。旗揚げ前は、市民創作劇として10年間活動をしてきました。
劇団ドラマスタジオとしての活動はもちろん、役者陣は他劇団への客演や映像等、多数出演しています!

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