2021年5月6日木曜日

【ダイアローグ】「特別企画 HYBRID BUNKASAIⅡの会場からレポート&トーク」(2019.10掲載)

TAPポータルサイトでは、毎月1つテーマを設定して、「この人」対談、インタビュー、レポート、コラムなどを集中して掲載していきます。

2019年10月のテーマは「とよたとアーティストたち」。インタビューやコラムなど様々なコンテンツを掲載します。
特集のメインコンテンツは、TAPの先駆事業<TAG>からの継承企画、石黒秀和・清水雅人がとよたの文化芸術に関するキーマンと対談する「この人」です。
様々なお話を伺った模様を動画撮影、基本的にノーカットで公開します。
また、対談を要約した文字コンテンツも掲載します。

今月の「この人」は特別企画として、10月5日6日13日に旧豊田東高校で開催したHYBRID BUNKASAMⅡ(ハイブリッドブンカサイ2)会場より、展示等の映像レポートとトークでお届けします。

特別企画 HYBRID BUNKASAIⅡの会場からレポート&トーク
https://youtu.be/2cpXd8WwpY8


要約文字コンテンツ(文責:清水雅人)
今回は映像の最後部分、石黒と清水のトーク部分のみの文字起こしとなります。

HYBRID BUNKASAIⅡについて
清水「3日間の開催の最後にトーク収録してますが、3日間通しての率直な感想はいかがですか?」
石黒「ハイブリッドブンカサイは昨年に続いて2回目でしたけど、今年の方が出展者数も多いし、前回使ってなかったスペースもほぼ使ってますし、規模としては昨年よりも大きくなったと思います。また、ここはあいちトリエンナーレの会場の1つでもありますし、豊田市美術館で開催のクリムト展、大変盛況なんですが、その臨時駐車場にもなっていて、クリムト展を観がてらこちらにも来られた方もいると思うので、昨年とくらべるとかなり違った雰囲気、慌ただしさもあったのかなと思います。それでも、このアートイベントのまったり感、カオス感というのも健在で、豊田でこういうアートイベントが2回やれたというのは、これからに繋がっていくのかなと思っています」
清水「基本的には現代アート、現代的なテーマを持った展示やパフォーマンスだったんですが、前回とくらべても、大分なじんできたというか、こなれてきたというのが正直な感想ですね。今回レポート用にぐるっと撮影しましたが、廃校っていうのはどこでも画になるというか、いいんですよね、みなさんもそのスペースをうまく使っているというか」
石黒「やっぱり場所があるというのは大きいですよね、発信表現する・作り上げていくのに場所というのは重要なんだなと改めて感じました」
清水「日本で10代を過ごした人なら感じる学校という空間に対する郷愁、でももう使われてない廃校という現実、そこに存在する現代アートという日常と非日常が交じり合ってなんとも言えない感情を作りだすというか。参加したアーティストもイマジネーションを掻き立てられる場所だったのかなと」
石黒「お客さんも、ここに来るだけで何かを感じられる場所だったと思います」
清水「クリムト展を観に来たついでに寄ってくれた人も多かったと思いますが、そういう人の声をもっと拾いたかったなとも思います。今回アーティストの話はちょっと聞いたんですけど、お客さんにはインタビューしなかったので。でも、漏れ聞こえてきた声では、この場所とともに現代アートを楽しんでくれているなと。また、今回市内のアーティストの参加も多かったということで、まずはそういう作家さんたちを知れたのも大きいですね」
石黒「そういう作家さんが豊田を自分のまちとしてどう関わってくれるか、イベントなどを立ち上げていってくれるかにかかっていると思うので、本当にこれからですね」
清水「まあずぅーと言ってることですけど、アーティスト・作家はいるけどそれをプロデュースする人材も必要で、デカスプロジェクトなんかはそういう人材を育てていく事業だと思いますが、このハイブリッドブンカサイもたどれは市の事業ですけどずっと市が主導していくわけにもいかないので、そういう人材も同時に出てこないといけないというのは今後の課題として言っておかないといけないと思います」

(中略)

あいちトリエンナーレも終幕
清水「8月から開催して明日閉幕となるあいちトリエンナーレ全体の感想、総括もしとかないとと思うんですが。客観的に言うと、豊田会場の来場者数も目標をかなり上回ったらしいですし、まずはその点では成功だったと思いますが」
石黒「まあ、よくも悪くも『表現の不自由展、その後』の件があって話題になって、開催前はトリエンナーレ知らないという人も結構いたと思いますが、あの一件で少なくともトリエンナーレという言葉は広く知られましたよね。終始表現の不自由展の話題に引っ張られてしまったという印象もはありますが、良し悪しあるにせよ記憶に残る芸術祭になったとは思います」
清水「『表現の不自由展、その後』についていえば、最後1週間だけ展示を再開しました、まったくなかったことのようにしてしまうよりは意味があったのかなと思います。表現の自由というのは紛れもなく普遍的な、民主主義においても重要な問題ですしそれについて語ることをタブーとしないで議論を続けていくことが重要だと思います」
石黒「そうですね、表現の自由について考える元年になったんじゃないかと思いますね」
清水「それにしても文化庁があいちトリエンナーレへの補助金をカットするというのは考えられないというか、なめられているというか、怒らないといけないですね私たちも。見せしめとしてやってるとしか思えませんし、実際は地方のことなんか全然考えてないという政治家や官僚のホンネが出ちゃったというか」
石黒「色々意見はあっていいとは思いますが、私もこの件についてはありえないと思いますね」

これから
清水「次回のあいちトリエンナーレで豊田が会場になるかどうかはわかりませんが、豊田のアートのこれからとしてもいい機会になったんじゃないかと思います。豊田市としては大きなイベント、ラグビーワールドカップとあいちトリエンナーレが終わりました。とよたアートプログラムも立ち上がりましたがTAPマガジンは11月号で終了、またここ旧豊田東高校でのイベントも今回が最後、来年度には取り壊されて豊田市博物館の建設に入っていくということで、ちょうど一区切り、ポストトリエンナーレポストワールドカップを考えていかないといけないと思いますが、いよいよここからかな、いよいよ本当のスタートかなと思います」
石黒「そうですね、トリエンナーレもハイブリッドブンカサイもお祭り、一過性のイベントですから、この後が大事だと思います」

ホストプロフィール:
石黒秀和(いしぐろひでかず)
脚本家・演出家。豊田市出身。高校卒業後、富良野塾にて倉本聰氏に師事。豊田に帰郷後、豊田市民創作劇場、豊田市民野外劇等の作・演出、とよた演劇アカデミー発起人(現アドバイザー)ほか、多数の事業・演劇作演出を手掛ける。TOCToyota Original Company)代表、とよた演劇協会会長、とよた市民アートプロジェクト推進協議会委員長。
ホーム - とよた演劇協会

清水雅人(しみずまさと)
映像作家・プロデュ―サ―。豊田市出身・在住。豊田市役所職員時代に市役所内に映画クラブを結成し、30歳の頃より映画製作を開始。映画製作団体M.I.F.設立、小坂本町一丁目映画祭主宰。2013年市役所を退職、独立し、映像制作、イベント企画、豊田ご当地アイドルStar☆T(スタート)プロデュースなどを手掛ける。豊田星プロ代表。映画「星めぐりの町」を実現する会会長、とよた市民アートプロジェクト推進協議会委員。
豊田ご当地アイドルStar☆Tオフィシャルサイト

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