2021年6月1日火曜日

【コラム】「豊田(周辺)の映画館上映お勧め作紹介」清水雅人(2021.6)

豊田とその周辺地域の、演劇・映像・音楽・アートに関する情報と人材のネットワーク<TAG>Toyota Art Geneサイト → http://toyotaartgene.com/

※映画支援団体「映画街人とよた」サイトでの記事を転載したものです。

「映画街人とよた」代表の清水が、豊田周辺映画館[イオンシネマ豊田KiTARA]と[ムービックス三好]で観られるお勧め映画を紹介するコラムです。テレビ等でバンバン宣伝しているメジャー作品はなるべく避けたラインナップにするつもりです。
※試写等を見ている訳ではなく、期待度も含めたごく個人的なお勧め作品です、あらかじめご了承ください。
※本ページにて月イチペースでお勧め映画紹介しています。

6/2現在イオンシネマ豊田KiTARA及びムービックス三好の営業時間は21:00までです。

緊急事態宣言延長で、大作の公開の延期等もあり、現在の上映作はなかなか渋めのラインナップとなっています。逆に言うと、2館のようなシネコンでは普段はあまり組まれないミニシアター系の映画が観られるチャンスでもあります。どれも未見で期待と不安が混じる☆3つが多いですが、、、どうぞ参考にしてください。

イオンシネマ豊田KiTARA  https://www.aeoncinema.com/cinema/toyota/
「明日の食卓」上映中
監督:瀬々敬久 出演:菅野美穂 高畑充希 尾野真千子
1980年~90年代のポルノ映画から始まり、「ヘヴンズ ストーリー」「64-ロクヨン- 前編/後編」「有罪」などこれまでに圧倒的な作品数を監督する瀬々敬久最新作。
椰月美智子による同名小説を映画化、同じ「石橋ユウ」という名前の小学3年生の息子を育てる3人の母親たち。住む場所も家庭環境も違う【3つの石橋家の】行き着く運命は……。
本当にたくさんの作品を監督しているので、正直当たり外れもある監督ですが、、、今回は静かめな作品っぽいです。
期待度☆☆☆★★

「いのちの停車場」上映中
監督:成島出 出演:吉永小百合 松坂桃李 広瀬すず
こちらもいぶし銀な監督「八月の蝉」などの成島出監督作。無難な感じだろうな、、、とも思いつつ、主演吉永小百合が公開舞台挨拶をしていて、こういう時期にあいさつをするのはそれなりにリスクもあると思いますが、映画を愛する心意気を感じました。
現代医療制度・尊厳死・安楽死に向き合う社会派ヒューマン医療ドラマを描く、南杏子の小説「いのちの停車場」の映画化。
期待度☆☆☆★★

「猿楽町で会いましょう」上映中
監督:児山隆 出演:金子大地 石川瑠華
本作のようなミニシアター系ど真ん中の映画がイオンシネマでやるんですね~、児山監督は初監督作品。作品が結構面白いのか、主演2人に引きがあるのかわかりませんが、、、期待半分不安半分で挙げておきます。
監督を務めるのは、助監督として多数の作品参加し本作が初監督作品となる児山隆。主人公の小山田を演じるのは、ドラマ「腐女子、うっかりゲイに告る。」(NHK総合)の金子大地。ダブル主演として小山田のもとに転がりこんでくるヒロイン・ユカを『イソップの思うツボ』の主演に抜擢された石川瑠華が演じる。駆け出しのフォトグラファー小山田(金子大地)は、撮影で読者モデルのユカ(石川瑠華)と出会う。コケティッシュでピュアなユカに惹かれ、彼女を被写体に次々と作品を撮り始める小山田。そして二人は付き合い始め、猿楽町で撮った作品はコンテストで受賞し周囲に認められ始める。しかし、元カレの存在を知った小山田は次第にユカの言動を疑いはじめる......。
期待度☆☆☆★★

「クワイエット・プレイス 破られた沈黙」6月18日より上映
監督:ジョン・クラシンスキー 出演:エミリー・ブラント ミリセント・シモンズ
音に反応して人間を襲う“何か”を描いて低予算ながら大ヒットしたアクションホラー作品の続編。続編で面白いものは少ない―というセオリーも感じますが、前作は音が出せないというシンプルな設定が極めて映画的でとてもよかったですし、監督も前作から引き続きということで、お勧めしておきます。
期待度☆☆☆★★

「いとみち」6月18日より上映
監督:横浜聡子 出演:駒井蓮 黒川芽以
松山ケンイチ出演「ウルトラミラクルラブストーリー」の横浜聡子監督作。監督の出身地でもある青森でオールロケした映画のようですね。地方都市誘致映画としても観てみたい作品です。
「陽だまりの彼女」の越谷オサム原作「いとみち」を映画化。タイトルにもなっている“いとみち”とは、三味線を弾くときに爪にできる糸道(溝)のこと。そこから名前の由来をもつ相馬いとは、青森県弘前市の高校に通う16歳。特技は祖母と、今は亡き母から引き継いだ津軽三味線だが、強い津軽弁訛りと人見知りのせいで、本当の自分を誰にも見せられず友人も少ない。しかし津軽メイド珈琲店でのアルバイトがきっかけで大きく変化し、人前で弾くことを躊躇していた津軽三味線を、ある出来事から披露することになる……。
期待度☆☆☆★★

ムービックス三好 https://www.smt-cinema.com/site/miyoshi/index.html
「はるヲうるひと」6月4日より上映
監督:佐藤二朗 出演:山田孝之 仲里依紗 佐藤二朗
俳優の佐藤二朗が主宰する演劇ユニット「ちからわざ」が2009年に初演した舞台を、原作者の佐藤自ら脚本、監督を担当し映画化。今やクイズ番組のMCまで務める佐藤二朗だが、「50回目のファーストキス」や「今日から俺は!!」等の福田雄一監督作での軽妙さとも違う独特な雰囲気を感じさせる作品。
売春宿があちこちにある島に、3兄妹が暮らしていた。店を仕切る長男の哲雄(佐藤二朗)は凶暴な性格で恐れられ、次男の得太(山田孝之)は子分のように兄にごまをすり、長女のいぶき(仲里依紗)は長年の持病で伏せっている。そこで働く4人の遊女は哲雄に支配され、得太を見下し、女を売らず誰よりも美しいいぶきに嫉妬していた。
期待度☆☆☆★★

「カムバック・トゥ・ハリウッド!!」6月4日より上映
監督:ジョージ・ギャロ 出演:ロバート・デ・ニーロ トミー・リー・ジョーンズ モーガン・フリーマン
名優3人が1970年代のハリウッドを舞台に元気なおじいさんを演じるベタベタなハリウッドコメディ。何も考えないで笑える、3名優の奮闘ぶりだけで可笑しいハリウッド映画を観るのも、こういうご時世ではいいものです。
期待度☆☆☆★★

「アジアの天使」7月2日より上映
監督:石井裕也 出演:池松壮亮 チェ・ヒソ オダギリジョー キム・ミンジェ キム・イェウン 佐藤凌
公開作は観ておきたいを思う石井裕也作(「剥き出しにっぽん」「あぜ道のダンディ」「舟を編む」「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」「生きちゃった」ほか)。公開はちょっと先ですが石井監督作が三好でやるなら必ず観に行こうと思います。次回作もすぐ公開されるようですね。
妻に先立たれ、男手ひとつで一人息子の学を育てている青木剛(池松壮亮)は、疎遠だった兄(オダギリジョー)が暮らすソウルに移る。韓国で仕事があると聞かされていたものの、実際には兄は経済的に困窮しており、剛は怪しい化粧品の輸入販売を手伝うことに。一方、そのソウルでタレントとして活動するチェ・ソル(チェ・ヒソ)は、所属事務所の社長と関係を持ちながら自身をとりまく環境や兄妹との関係に悩みを抱えていた。
期待度☆☆☆☆★

番外編
プロレスラー・葛西純の壮絶な半生を追う「狂猿」(豊田KiTARA)、ロックグループ ボン・ジョヴィのコンサートを映画館で公開する「ボン・ジョヴィ フロム・アンコール・ナイツ」、2019年発表のデビューアルバムが世界中でヒットしたビリー・アイリッシュを追う「ビリー・アイリッシュ:世界は少しぼやけている」(ムービックス三好)とドキュメンタリー系映画の公開も興味がありますね。

清水雅人プロフィール
2000年頃より自主映画製作を始め、映画作り仲間を中心に周辺の映画製作団体も統合してM.I.F(ミフ Mikawa Independet Movie Factory)を設立。監督作「公務員探偵ホーリー2」「箱」などで国内の映画賞を多数受賞。また、全国の自主制作映画を上映する小坂本町一丁目映画祭を開催。
2012年、サラリーマンを退職/独立し豊田星プロを設立。豊田ご当地アイドルStar☆T(すたーと)プロデユース、映像制作、イベント企画など行う。
2016年、豊田では初の市内全域を舞台にした劇場公開作「星めぐりの町」(監督/黒土三男 主演/小林稔侍 2017年全国公開)を支援する団体 映画「星めぐりの町」を実現する会を結成し、キャストオーディションやエキストラ管理、協賛金事業などをサポート。
2020年、映画「星めぐりの町」を実現する会を発展継承する形で「映画街人とよた」を設立。2021年全国公開予定「僕と彼女とラリーと」支援ほか、豊田市における継続的な映画映像文化振興事業を行う。


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